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Textile Industry Column糸偏コラム:自由な視点
私の回顧録
〜洋服との関わり〜

私の回顧録 〜洋服との関わり〜

筆者自身が歩んできたファッションと繊維の道のりを、ひとつひとつ振り返りながら綴るエッセイです。 華やかな成功談だけではなく、迷い、立ち止まり、時に遠回りしながら積み重ねてきた実感のある経験を、できるだけ正直な言葉で記していきます。

学生時代に芽生えた服への興味が、どのようにして仕事へと変わっていったのか。 業界に足を踏み入れて初めて知った現場の空気、素材や生地に触れたときの高揚感、思い通りにいかない現実に直面した瞬間。 そうした日々の出来事の中には、今振り返るからこそ語れる失敗や、思わず笑ってしまうようなエピソードも少なくありません。

このコラムでは、知識や理論、分析を前面に出すのではなく、「そのとき、何を感じ、何を考えていたのか」という個人的な視点を大切にしています。 繊維や服づくりの世界は、数字やトレンドだけでは測れない、人の感情や関係性に支えられた場所でもあります。 そのリアルな温度感を、体験談を通して伝えていきたいと考えています。

業界に興味を持つ方にとっては、ひとつの実例として。 これから進路や仕事に悩む方にとっては、遠くない誰かの物語として。 答えを提示するのではなく、「そんな道もあるのか」と感じてもらえるような、ささやかなヒントになれば幸いです。 洋服とともに歩んできた時間の断片を、どうぞ肩の力を抜いてお楽しみください。


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2026.02.28

第74回:私の回顧録
グループ企業 〜中国仕入れで知り合った方々6〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第74回 では、中国仕入れ知り合った方々のシリーズの締めくくりとして、北京郊外の縫製工場で“サブ担当”を務めていたMさんとの関わりを振り返ります。表に立つ存在ではなかったものの、納期確認や仕様トラブルの調整で最も多くやり取りを重ねた相手でした。青森での研修経験を持ち、現場と日本側をつなぐ橋渡し役として静かに支え続けたMさん。価格や納期、品質のはざまで揺れながらも、「急げ」ではなく「いつできるか」を考える姿勢を学んだ日々が描かれます。目立たない存在の積み重ねが現場を動かしている――その気づきを綴った一編です。

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2026.02.27

第73回:私の回顧録
グループ企業 〜中国仕入れで知り合った方々5〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第73回 では、合弁解消後に出会った大連の縫製工場経営者Jさんとのご縁を振り返ります。依存リスクへの危機感から新たな取引先を探す中、偶然にも過去の職歴でつながる共通点が判明。距離は一気に縮まりました。日本で学び働いた経験を持つJさんは、報告や約束を徹底する誠実な姿勢が印象的。工場視察や素材選定へのこだわり、利益より信頼を優先する判断から、経営者としての覚悟を感じました。契約の形が変わっても、人との信頼が次の道を開く――その実感を描いた一編です。

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2026.02.26

第72回:私の回顧録
グループ企業 〜中国仕入れで知り合った方々4〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第72回 では、合弁企業の社長Kさんとの濃密な関係を振り返ります。初対面から圧倒的な存在感を放ち、商談は毎回値上げ交渉から始まるというダイナミックなスタイル。日本的な価格の安定志向との違いに戸惑いながらも、文化の違いを否定せず伝えることで、少しずつ信頼を築いていきました。決断の速さと行動力、そして酒席で見せる人間味。ぶつかり合いながらも学んだのは、契約以上に大切なのは人としての信頼だということ。異文化の中で成長した、忘れがたい“ラスボス”との物語です。

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2026.02.25

第71回:私の回顧録
グループ企業 〜中国仕入れで知り合った方々3〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第71回 では、中国仕入れで最も長く関わったYさんとの5年間を振り返ります。柔らかな物腰の奥に芯の強さを秘め、できることとできないことを明確に示す姿勢に、次第に深い信頼を寄せていきました。神戸でのテーラーイベントをきっかけに距離が縮まり、展示会同行や出張、突然の来日などを通じて関係は担当者の枠を超えていきます。合弁解消や退社後も交流は続き、再会を重ねる中で実感したのは、仕入れの土台は条件ではなく人との縁だということ。時代の勢いと共に歩んだ、大切な存在との記録です。

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2026.02.24

第70回:私の回顧録
グループ企業 〜中国仕入れで知り合った方々2〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第70回 では、中国仕入れの現場で出会った営業担当者たちとの思い出を振り返ります。高い日本語力だけでなく、日本人の「行間」を読み取る理解力、価格や納期を構造的に説明する論理性、そして細かな確認を惜しまない誠実さ。それぞれ異なる個性を持ちながらも、共通していたのは相手を思う姿勢でした。北京での食事や上海の展示会などのエピソードを通じて、仕入れは条件交渉ではなく「人を信じる仕事」だと実感していきます。文化や立場を越えて築いた信頼が、ものづくりの土台を支えていたことを描く一編です。

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2026.02.23

第69回:私の回顧録
グループ企業 〜中国仕入れで知り合った方々〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第69回 では、グループ企業として関わった中国仕入れの現場で出会った人たちとの6年間を振り返ります。北京や紹興などを訪れ、急成長する現地で判断を重ねる中、支えとなったのは誠実な技術担当者の存在でした。糸番手をその場で測る徹底した姿勢や、品質リスクを見抜く助言から、仕入れは価格ではなく責任と信頼の仕事だと学びます。文化や立場を越えて築いた関係が、ものづくりの土台になったことを実感する一編です。

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2026.02.22

第68回:私の回顧録
グループ企業 〜新たな仕事、その奥深さ〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第68回 では、グループ企業で本格的に始まった新たな仕入れ業務の奥深さを描きます。まず取り組んだのは10万メートルを超える在庫の実態把握。数字と現物のズレを埋める地道な作業から再出発しました。さらに中国との直接取引や北京出張を通じて、仕様決定や品質設計まで踏み込む判断の重さを実感。大量調達のメリットとリスク、共通在庫の調整など、仕入れは調達にとどまらず経営そのものだと学びます。視野が広がった新たな挑戦の記録です。

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2026.02.21

第67回:私の回顧録
グループ企業 〜人がつないでくれた〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第67回 では、グループ企業への参画という新たな転機を描きます。オーダースーツチェーン買収の相談から始まり、当初は規模やリスクを理由に反対しながらも、可能性を見据えて前に進む決断へ。全国20数店舗と縫製工場を抱える体制の中で、まず取り組んだのは在庫の立て直しでした。10万メートル超の生地を一つずつ計測し、数字と現場のズレを修正。派手さはなくとも、土台を整えることこそが未来を支える――責任と視野が広がった転換点を描く序章です。

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2026.02.20

第66回:私の回顧録
仕入れ編 〜人がつないでくれた〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第66回 では、仕入れの現場で出会った人たちとの縁を振り返ります。数字と向き合う仕事の裏側で、本当に心に残っているのは商品ではなく“人”でした。営業所閉鎖の際に設備やスタッフを引き受けてくれた方、産地へ導いてくれた方、中国や海外取引で支えてくれた方、高級素材や新たな販路を教えてくれた方――立場も役割も異なる多くの存在に助けられてきた歩みです。商売は形を変えても、縁は続いていく。仕入れの世界は人でできていると改めて感じる一編です。

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2026.02.19

第65回:私の回顧録
仕入れ編 〜お世話になった方7〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第65回 では、レース専業問屋の社長Kさんとの出会いを振り返ります。派手さはないものの、確かな知識と誠実な姿勢で支えてくれた存在。レースは装飾ではなく専門分野であり、下生地との組み合わせ次第で価値が大きく変わること、相場や加工単位の現実、付加価値のつくり方など、多くを学びました。工場見学で現場を知り、仕入れが企画へと広がる感覚も体験。バスケットボール談義に花を咲かせた夜も含め、人との縁が仕事を深めると気づかされる一編です。

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2026.02.18

第64回:私の回顧録
仕入れ編 〜お世話になった方6〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第64回 では、加工メーカー社長・Tさんとの出会いを振り返ります。堀留の問屋Hさんの縁で知り合い、転写プリントという新しい武器を持つ経営者としての姿に触れました。小ロット・短納期を実現するスピード感、失敗を前進に変える判断力、そして中国での交渉や為替リスクまで見据える視点。白くなった縫い目の失敗や海外取引の難しさを通じて、仕入れは商品だけでなく世界と向き合う仕事だと学びます。現場から経営へと視野を広げてくれた存在との一編です。

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2026.02.17

第63回:私の回顧録
仕入れ編 〜お世話になった方5〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第63回 では、京都にルーツを持ち、東京・堀留で活躍した問屋Hさんとの思い出を振り返ります。生地問屋が集まった堀留の「織物中央通り」で、ダークスーツ姿で動き回り、「やろうよ」と即決する姿は、まさに典型的な生地問屋そのもの。業界の縮小や会社の廃業、転職を経験しても前向きさを失わず、商品だけでなく情報や人の縁をつないでくれました。仕入れとは価格交渉だけでなく、信頼と人情の積み重ねで成り立つもの――その本質を教えてくれる一編です。

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2026.02.16

第62回:私の回顧録
仕入れ編 〜お世話になった方4〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第62回 では、京都のプリント会社社長・Kさんとのご縁を振り返ります。仕入れ担当になったばかりの頃に紹介され、即断即決の姿勢と率直な判断に学びました。ベンベルグへのプリント挑戦やインクジェットの可能性など、試行錯誤の中で現実と向き合う姿勢を教えられます。さらに京都の手捺染工場を訪れ、静かな現場で職人の手仕事を目の当たりにした体験は、生地への見方を大きく変えました。人を認め、縁をつなぐ社長の在り方から、仕入れの本質は“人”にあると気づかされる一編です。

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2026.02.15

第61回:私の回顧録
仕入れ編 〜お世話になった方3〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第61回 では、米沢のコンバーターに勤めるSさんとのご縁を振り返ります。見本反の活用という提案をきっかけに初めて米沢を訪れ、産地の機屋を巡りながら一点物の魅力を再発見。少量だからこそ生まれる価値は、販売の新たな強みとなりました。さらに、上杉神社や上杉博物館を訪れ、米沢織の歴史や背景にも触れることで、仕入れ観は大きく変化。やがて百貨店通販という新たな挑戦へと発展します。人と産地に学び、関係が形を変えながら続いていく――その深みを伝える一編です。

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2026.02.14

第60回:私の回顧録
仕入れ編 〜お世話になった方2〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第60回 では、仕入れ先のYさんとのご縁を振り返ります。大阪出張をきっかけに出会ったYさんは、大手商社の処分品を扱い、通常の約5分の1という価格で多彩な生地を提案してくれた存在。年間1000種近い仕入れを支え、“掘り出し物”を見つける楽しさを教えてくれました。電話一本で通じ合う信頼関係、そして上海での再会。急成長する中国の熱気を体感した経験は、その後の仕入れ観にも大きな影響を与えます。価格だけでなく未来を語り合える関係こそ商いの原点――そう実感させてくれる一編です。

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2026.02.13

第59回:私の回顧録
仕入れ編 〜お世話になった方〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第59回 では、仕入れでお世話になった印刷業者のMさんとの思い出を振り返ります。大阪出張で出会ったMさんは、サンプル帳づくりを支えてくれた大切な存在。用途を伝えるアイコンの提案や、紙質・色の見え方まで踏み込んだ助言など、生地を引き立てる工夫を共に重ねてきました。コストや工程の見直しにも真摯に向き合い、単なる発注先を超えたパートナーへ。突然の別れを経て、今も心に残るのは、相手の立場で考える姿勢と、未来を語り合った温かな時間です。人とのご縁が仕事を形づくることを静かに伝える一編です。

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2026.02.12

第58回:私の回顧録
仕入れ編 〜印刷屋との関わり〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第58回 では、「印刷屋との関わり」をテーマに、仕入れ編の中でも見落とされがちな存在に光を当てます。生地そのものではなく、サンプル制作を支える台紙や印刷物。紙の厚みや質感、反りにくさといった細かな要素が、生地の印象や価値を大きく左右していました。年間160万枚にも及ぶ台紙管理や在庫調整、出物の紙を活用したコスト工夫など、現場ならではの工夫も紹介されます。印刷屋は単なる発注先ではなく、品質とコストを共に考えるパートナー。仕入れとはモノだけでなく、人と現場の積み重ねで成り立っていることを実感させてくれる一編です。

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2026.02.11

第57回:私の回顧録
仕入れ編 〜中国仕入れとその後〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第57回 では、「中国仕入れとその後」をテーマに、海外仕入れの現場で得た学びと、日本に戻ってから直面した現実を振り返ります。世界有数の繊維集積地・紹興で感じた圧倒的な量とスピード、国境を越えた商売の距離感、シビアな価格交渉。さらに、実際に仕入れた生地の検品や仕様違いを通じて見えてきた、品質基準や文化の違いも描かれます。「最初で最後」となった中国仕入れは、決して失敗ではなく、その後の判断力やリスク感覚を支える原体験となりました。海外と向き合うとはどういうことかを、等身大の視点で伝える一編です。

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2026.02.10

第56回:私の回顧録
仕入れ編 〜仕入れルートの開拓2〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第56回 では、「仕入れルートの開拓2」として、初めて挑んだ海外仕入れ――中国での体験を振り返ります。国内仕入れ環境の変化を背景に、新たな可能性を求めて向かった上海と紹興。OEM工場でのシビアな価格交渉、世界最大級の生地市場・柯橋市場の圧倒的なスケール、価格の魅力とその裏にある品質管理や物流の難しさ。数字だけでは測れない判断の重さや、仕入れに伴う責任の大きさを、現場で実感していきます。結果的に一度きりとなった中国仕入れですが、この経験がその後の仕入れ観や判断基準を形づくる、大きな転機となったことが描かれます。

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2026.02.09

第55回:私の回顧録
仕入れ編 〜仕入れルートの開拓〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第55回 では、「仕入れルートの開拓」をテーマに、仕入れという仕事の現実と転機を振り返ります。生地価格の裏側にある原価構造や在庫の問題、在庫処分品を活用する工夫など、仕入れ担当者として向き合ってきた試行錯誤を整理。国内市場の縮小や受注生産化が進む中で、従来の仕入れ方法に限界を感じ始めた経験が語られます。そこで視野を国内から海外へと広げ、人とのつながりをきっかけに新たな可能性を探る決断へ。環境の変化に適応しながら、自分なりの答えを模索していく姿が描かれています。仕入れが「モノの調達」ではなく、判断力と行動力、そして覚悟が問われる仕事であることを実感した一編です。

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2026.02.08

第54回:私の回顧録
仕入れ編 〜生地の産地展〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第54回 では、国内の生地産地そのものに足を運ぶ「産地展」について振り返ります。海外展示会や都市型見本市が市場全体を俯瞰する場だとすれば、産地展は作り手の息づかいや技術の積み重ねを肌で感じる“現場を見る場”。取引先からの招待状をきっかけに訪れた各地の産地展では、米沢の柔軟な素材展開、尾州の伝統と最先端が共存する毛織物、高野口や天龍といった個性ある産地の技術力に触れてきました。生地は単なる商品ではなく、歴史や人、土地の積み重ねであることを再認識する時間。産地全体の空気感や作り手との会話から得られる気づきが、仕入れの判断をより深いものにしていく――そんな産地展の意義を描いた回です。

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2026.02.07

第53回:私の回顧録
仕入れ編 〜生地の見本市 その2〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第53回 では、国内外の生地をつなぐ存在としての「JITAC(日本輸入繊維代理店協会)主催の生地見本市」を取り上げます。海外の有力メーカーの生地を日本にいながら手に取れるこの見本市は、華やかさよりも実務性に優れ、仕入れの現場に立つ人間にとって多くの学びを与えてくれる場所でした。初めて訪れた際に感じた世界の生地の空気感や、代理店という立場だからこそ得られるリアルな情報。そして「代理店と問屋、どちらが本当に合理的なのか」という思い込みが崩れた経験を通して、仕入れが単なる価格比較ではなく、品質・供給・リスク・関係性を含めた総合判断であることに気づいていきます。仕入れの視野が一段深まる、そんな転機を描いた回です。

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2026.02.06

第52回:私の回顧録
仕入れ編 〜生地の見本市〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第52回 では、仕入れの仕事に欠かせない存在である「生地の見本市」について振り返ります。産地を横断し、業界全体の動きや空気感を一度に体感できる見本市は、単なる展示の場ではなく、情報と感覚が交差する特別な場所でした。初めて訪れた「ジャパンクリエーション」で感じた圧倒的なスケール感や戸惑い、そして生地を実際に手で触れ、作り手の言葉を直接聞くことで得られた学び。完成品ではなく「可能性」を見るという、これまでとは違うバイヤー視点に気づかされた経験が語られます。見本市を繰り返し訪れることで見えてくる業界の流れや変化、日本の繊維産業が今も進化を続けている実感までを描いた一編です。

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2026.02.05

第51回:私の回顧録
仕入れ編 〜産地との関わり〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第51回 では、仕入れの仕事を通して向き合ってきた「産地」との関わりについて綴ります。尾州や西陣、米沢といった名だたる産地だけでなく、群馬・太田や栃木・足利など、生活のすぐそばにあった産地の記憶を振り返りながら、産地が単なる生産拠点ではなく、技術・文化・人の営みが重なった存在であることを見つめ直します。一方で、日本の繊維産業がかつての隆盛を失い、多くの産地が縮小や消滅に追い込まれてきた厳しい現実にも触れます。その中で、価値で勝負し、生き残りを図る産地の姿や、次世代へつなぐために必要な視点とは何かを考察。産地と作り手、使い手をつなぐ立場としての葛藤と覚悟が語られます。

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2026.02.04

第50回:私の回顧録
仕入れ編 〜産学 その3 米沢展とその後〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第50回 では、産学連携プロジェクトが次の段階へ進んだ「米沢展」と、その後に広がった反響を振り返ります。学生によるファッションショー作品の一部が、産地展示会「米沢テキスタイルコレクション」で正式に展示されることが決定。学生の表現が産地の現場に並ぶことで、ようやく本当の意味での橋渡しが実現しました。さらに専門誌や業界紙への掲載へと展開し、取り組みは想像以上の広がりを見せます。一方で、展示のあり方についての反省も描かれ、産学連携の難しさと価値、その両面を静かに伝える回です。

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2026.02.03

第49回:私の回顧録
仕入れ編 〜産学 その2 いくつもの「はじまり」〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第49回 では、産学連携の取り組みが実を結んだファッションショー当日の記録です。学生9人が「夜」という共通テーマのもと、27体の作品を発表し、それぞれの感情や記憶を服として表現しました。雨の神宮前で行われたショーは、粗さを含みながらも真っ直ぐな熱量に満ち、会場には確かな手応えが残ります。学生の感性と米沢産地の素材が出会い、新たな価値が生まれた一日。さらに作品が産地展示へとつながり、点だった取り組みが線となって広がり始めたことを描いています。

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2026.02.02

第48回:私の回顧録
仕入れ編 〜産学 思いがけない「つながり」〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第48回 では、米沢産地とのご縁から生まれた、思いがけない「産学連携」の物語です。セール会場で交わされた何気ない会話をきっかけに、学生のファッションショーへ産地の生地を提供する取り組みが動き出します。条件を設けず、学生の感性に委ねる姿勢、そして若い表現が産地の技術と出会うことで生まれる新しい価値。仕入れの仕事が、人と人、産地と学びの場をつなぐ役割を持ちうることを実感する回です。偶然の一言が線となり、未来へ続いていく可能性を静かに描いています。

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2026.02.01

第47回:私の回顧録
仕入れ編 〜米沢産地〜

「糸偏コラム:私の回顧録」第47回 では、米沢産地との出会いを通して、仕入れという仕事の見え方が変わっていく過程を描いた回です。セール商材探しという実務的なきっかけで訪れた米沢でしたが、上杉鷹山公による産業振興の歴史や、技術を受け入れてきた土地の気風に触れることで、産地への理解が深まっていきます。先染めやジャカードに代表される米沢の技術、機屋の空気、人との距離感。数字や条件だけでは測れない価値が確かに存在することを実感し、産地と向き合う姿勢そのものを見つめ直す内容です。

バックナンバー

▼ 2026年2月
2月28日:第74回 私の回顧録 グループ企業 〜中国仕入れで知り合った方々6〜
2月27日:第73回 私の回顧録 グループ企業 〜中国仕入れで知り合った方々5〜
2月26日:第72回 私の回顧録 グループ企業 〜中国仕入れで知り合った方々4〜
2月25日:第71回 私の回顧録 グループ企業 〜中国仕入れで知り合った方々3〜
2月24日:第70回 私の回顧録 グループ企業 〜中国仕入れで知り合った方々2〜
2月23日:第69回 私の回顧録 グループ企業 〜中国仕入れで知り合った方々〜
2月22日:第68回 私の回顧録 グループ企業 〜新たな仕事、その奥深さ〜
2月21日:第67回 私の回顧録 グループ企業 〜新たな展開への序章〜
2月20日:第66回 私の回顧録 仕入れ編 〜人がつないでくれた〜
2月19日:第65回 私の回顧録 仕入れ編 〜お世話になった方7〜
2月18日:第64回 私の回顧録 仕入れ編 〜お世話になった方6〜
2月17日:第63回 私の回顧録 仕入れ編 〜お世話になった方5〜
2月16日:第62回 私の回顧録 仕入れ編 〜お世話になった方4〜
2月15日:第61回 私の回顧録 仕入れ編 〜お世話になった方3〜
2月14日:第60回 私の回顧録 仕入れ編 〜お世話になった方2〜
2月13日:第59回 私の回顧録 仕入れ編 〜お世話になった方〜
2月12日:第58回 私の回顧録 仕入れ編 〜印刷屋との関わり〜
2月11日:第57回 私の回顧録 仕入れ編 〜中国仕入れとその後〜
2月10日:第56回 私の回顧録 仕入れ編 〜仕入れルートの開拓2〜   
2月9日:第55回 私の回顧録 仕入れ編 〜仕入れルートの開拓〜
2月8日:第54回 私の回顧録 仕入れ編 〜生地の産地展〜
2月7日:第53回 私の回顧録 仕入れ編 〜生地の見本市 その2〜
2月6日:第52回 私の回顧録 仕入れ編 〜生地の見本市〜
2月5日:第51回 私の回顧録 仕入れ編 〜産地との関わり〜
2月4日:第50回 私の回顧録 仕入れ編 〜産学 その3 米沢展とその後〜
2月3日:第49回 私の回顧録 仕入れ編 〜産学 その2 いくつもの「はじまり」〜
2月2日:第48回 私の回顧録 仕入れ編 〜産学 思いがけない「つながり」〜
2月1日:第2回 サステナの窓 サステナブルについて考える 〜続けることが大切〜
2月1日:第47回 私の回顧録 仕入れ編 〜米沢産地〜
▼ 2026年1月
1月31日:第46回 私の回顧録 仕入れ編 〜プリント捺染工場〜
1月30日:第45回 私の回顧録 仕入れ編 〜機屋(はたや)〜
1月29日:第44回 私の回顧録 仕入れ編 〜出版社との関わり〜
1月28日:第43回 私の回顧録 仕入れ編 〜ホームページ 影響を受けたこと 2〜
1月27日:第42回 私の回顧録 仕入れ編 〜ホームページ 影響を受けたこと〜
1月26日:第41回 私の回顧録 仕入れ編 〜ホームページ ネット販売〜
1月25日:第40回 私の回顧録 仕入れ編 〜ホームページ 運営と裏側〜
1月24日:第39回 私の回顧録 仕入れ編 〜ホームページ 開設〜
1月23日:第38回 私の回顧録 仕入れ編 〜売ること〜
1月22日:第37回 私の回顧録 仕入れ編 〜商品知識〜
1月21日:第36回 私の回顧録 仕入れ編 〜サンプル作り 3〜
1月20日:第35回 私の回顧録 仕入れ編 〜サンプル作り 2〜
1月19日:第34回 私の回顧録 仕入れ編 〜サンプル作り〜
1月18日:第33回 私の回顧録 営業時代 〜総集編〜
1月17日:第32回 私の回顧録 営業時代 〜北海道出張記 出張の思い出〜
1月16日:第31回 私の回顧録 営業時代 〜北海道出張記 営業のハプニング〜
1月15日:第30回 私の回顧録 営業時代 〜印象的なお得意様 2〜
1月14日:第29回 私の回顧録 営業時代 〜印象的なお得意様〜
1月13日:第28回 私の回顧録 忘れることのできない 〜ある常連さんの物語〜
1月12日:第27回 私の回顧録 生地屋の催事 〜年2回の大型セール〜
1月11日:第26回 私の回顧録 生地の催事 〜百貨店での思い出〜
1月10日:第25回 私の回顧録 営業初陣 〜最初の一歩〜
1月9日:第24回 私の回顧録 見習い営業 〜キャラバン〜
1月8日:第23回 私の回顧録 営業の前準備 〜段取りで決まる〜
1月7日:第22回 私の回顧録 社内業務 〜まずは“打ち解ける”こと〜
1月6日:第21回 私の回顧録 転職先は“生地の山”!? 〜刺激的な日々〜
1月5日:第20回 私の回顧録 またまた仕事探し 〜さて、次はどこへ〜
1月4日:第19回 私の回顧録 私の見てきた1990年代 〜業界の過渡期〜
1月3日:第18回 私の回顧録 新たな展開 〜まさかの宣告〜
1月2日:第17回 私の回顧録 商品企画 〜ついに、この時が・・・〜
1月1日:第16回 私の回顧録 洋服の内側 〜インナーメーカーでの経験〜
▼ 2025年12月
12月31日:第15回 私の回顧録:職探し 〜第二章スタート〜
12月30日:第14回 私の回顧録:人生の岐路 〜思いがけない曲がり角〜
12月29日:第13回 私の回顧録:第二の故郷 〜90年代ファッション業界、その真ん中で〜
12月28日:第12回 私の回顧録:店舗立て直し 〜せつない思い出〜
12月27日:第11回 私の回顧録:バイヤー編 Part5 〜総まとめ〜
12月26日:第10回 私の回顧録:バイヤー編 Part4 〜売れ筋商品の作り方〜
12月25日:第9回 私の回顧録:バイヤー編Part3 〜ファッション予測〜
12月24日:第8回 私の回顧録:バイヤー編Part2 〜商品力を鍛えるということ〜
12月23日:第7回 私の回顧録:バイヤー編 〜新人バイヤー〜
12月22日:第6回 私の回顧録:マネージャーでの経験 〜育てる存在〜
12月21日:第5回 私の回顧録:転職 ~教訓~
12月20日:第4回 私の回顧録:仕事探し ~自己満足の追求~
12月19日:第3回 私の回顧録:私と服の出会い ~ライフスタイル~
12月18日:第2回 私の回顧録:私と服の出会い ~多感だった中学・高校時代~
12月17日:第1回 私の回顧録:私と服の出会い ~原点は下町とアイビー~

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